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ブログ

疥癬

2023年10月18日

長い夏が終わり、過ごしやすい秋が訪れてきました。秋は美味しいものもたくさんありますし、ゴルフに行くのも最高です。夏の疲れを吹き飛ばして、秋を満喫したいものです。しかし、最近はあまり四季を感じられなくなってきているのも感じています。急に寒くなって秋が短い。秋の味覚の代表でもあるサンマも不漁が続いています。数年前までは秋の庶民の味として、スーパーで一尾100円で立派なサンマが売られていましたが、最近では最低でも倍以上になっています。炭火で焼いたサンマを醤油を垂らして、はらわたごと食べるあの幸せ。一緒にビールがあれば最高ですね。富山にいる頃は、庭先でよくそんなことをしていました。栗ご飯もいいですね。食べ過ぎて太らないように気を付けなければ!

今日は、疥癬についてお話します。つい最近も疥癬と診断した患者さんがおられました。疥癬とは、ヒゼンダニというダニが皮膚に寄生して、皮膚の中を移動しながら卵を産んで増殖していく、とても痒い厄介な病気です。衛生環境が悪かった第二次世界大戦後に日本でも大流行し、その後は30年周期で流行が繰り返すと言われていますが、最近でも絶えることなく、老人施設などで小規模に感染拡大が続いています。以前は、殺虫剤を体中に塗ってダニを駆虫していたのですが、これがとにかく大変です。ところが、大村智先生がイベルメクチンという薬を開発(2015年ノーベル医学・生理学賞を受賞)してくれたおかげで、ほぼこの薬を内服するだけで治療が終了することが可能となりました。画期的な薬ができたにもかかわらず、現在でもこの病気が蔓延するのは、恐らく私も含めてですが、診断できずにそのままになっている患者さんがどこかにおられるからだと思います。診断を確定するには、皮疹部の皮膚を顕微鏡で調べ、ダニの虫体や卵、糞などがないか調べることが必要です。治りにくい湿疹の患者さんが来たら、常に念頭にこの病気をおいて、慎重に診断治療することが必要です。

老人施設に家族が出入りして、原因不明の痒み湿疹が出ている場合は、一度ご相談ください。

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