アトピー性皮膚炎の抗体治療
2021年03月09日
だいぶ暖かくなってきましたね。近所の遊歩道では、桜のつぼみが膨らんできています。まだ不安なことはたくさんありますが、桜が咲くと少し心が和むことに喜びを感じます。元気に生活出来ることが、当たり前ではないということを考えなければいけない時期だと思います。クリニックや自宅での防災意識を高めていこうと思っています。
今回は、アトピー性皮膚炎の抗体治療薬についてです。この薬は、アトピー性皮膚炎で起こる皮膚の炎症やバリア機能に関連するIL-4とIL-13をブロックする抗体です。その結果、皮膚の症状が改善する仕組みです。外用薬も併用することが必要ですが、今までの治療では治りにくい患者さんには朗報です。2週間おきに自己注射をする薬となります。さらに、昨年末にJAK阻害薬の内服薬も処方可能となりました。こちらは免疫抑制薬となります。同様の種類の塗り薬は昨年6月に適応となって、現在使われていますが、その内服薬となります。適応はやはり今までの治療ではよくならない重症のアトピー性皮膚炎の患者さんです。この薬は先にリウマチの患者さんに使われており、今回適応追加となりました。痒みに良く反応してくれるようで、患者さんにとっては注射よりも飲み薬の方が導入のハードルは低いでしょう。それぞれ、注意すべき点はあります。さらに、薬剤の値段が非常に高いです。高額療養費制度などをうまく利用して自己負担を減らすことはできますので、今まで色々な治療をして良くならなかった方はご相談ください。